André Mehmari & Ná Ozzette / Piano E Voz
最近注目のマルチミュージシャン、アンドレ・メマリとサン・パウロのアングラ出身、ナ・オゼッチが二人だけで作り上げたアルバム。近年のボーカルアルバムとしては、世界的に見ても高レベルの作品になっているように思う。
アンドレ・メマリのピアノは、ビル・エバンス〜チック・コリア〜エグベルト・ジスモンチの系譜につながる叙情性とスケール感を兼ね備えたもの。カエターノ・ヴェローゾの「O Ciúmi」は、伴奏だけでこの曲に新しい命が吹き込まれたかのようだ。フェリーニの映画音楽を引用したシコの「A Ostra E O Vento」も面白い。
ナ・オゼッチは、前作「Show」で、ボーカリストとして一段とスケールアップした姿を見せてくれた。「Show」では、クラシカルで厚みの有るサウンドだったが、今回は一転シンプルなセッティング。ごまかしのきかない歌で勝負している。技巧的なうまさではなく、柔らかな声のニュアンスがメロディーを紡いでいって、知らず知らずのうちに引き込まれてしまうような歌だ。
選曲も、レノン=マッカートニーの「Because」、ジュリー・ロンドンの「Cry Me A River (Chora Um Rio)」を挟みながら、地味ながら良い曲が並んでいる。
