山本のりこ 「Anel de Capim|草の指輪」

山本のりこのセカンドアルバムは、前作と同じ上畑正和のプロデュースで、オリジナルを3曲含む、全7曲のミニアルバム仕立て。前作を聴いて、彼女のオリジナル曲を楽しみにしている人も多いと思いますが、今回もタイトル曲をはじめ魅力的な仕上がりになっています。
「ANEL DE CAPIM|草の指輪」は、しばしば“フォーキー”と表現される彼女の個性が良く出たオリジナル曲。ゆったりとしたメロディーと、朝靄のようにサポートするアレンジが、湿り気を帯びてひんやりとした早朝の空気を感じさせます。
カルロス・リラの「MARIA NINGUEM|マリア・ニンゲン」は、アコーディオンが入って、微妙にボレロっぽいというか、カリビアンな雰囲気を感じさせます。
「VOCE JA FOI A BAHIA?|もうバイーアに行った?」は、ドリヴァル・カイミのユーモラスな曲で、ブラジルでは煙草のCMソングにも使われた曲。曲に合わせたかのように、時にコミカルで表情豊かな歌を聞く事ができる。
「CORRENTE|コヘンチ」は、バイーア風のパーッカションとホーンをバックにした、緊張感漂うトラック。ちょっと、今までに無かった雰囲気でスケールの大きなオリジナル曲。
「AMAPOLA|アマポーラ」は、1924年にメキシコで作られた世界的名曲(かつて沢田研二も歌っていた)。柔らかなストリングをバックにした、ストレートな歌唱。
「NA CADENCIA DO SAMBA|サンバのリズムで」は、アタウルフォ・アルヴェスの代表的なサンバ。スティーブ・サックスのクラリネットが絡み、場末のボテキンのような下世話な雰囲気を醸し出している。
「ESTRELA FELIZ|幸せ星」は、バッキング無しの弾き語りで聴かせる、童謡のようなチャーミングな小品。
ファーストアルバムでは、作り手の気迫のようなものを感じさせられたが、今回はいい意味で力の抜けた、リラックスできる作品になったように感じる。特にタイトル曲は印象深く、ボサノヴァという枠には納まらない「山本のりこ」というアーティストを良く表わしている。
