ALO,ALO,BRASIL

名曲アルバム:004

O Que Sera/ウ・キ・セラ

text by WILLIE WHOOPER

「O QUE SERA」作詞作曲シコ・ブアルキ。1977年にブラジルで公開された映画「ドナ・フロールと二人の夫」。タイトルから想像出来るように、ありきたりといえばありきたりのストーリーなのだが、ラヴ・コメディをベースにどこかホロっとさせられるシーンの数々と、主演のソニア・ブラガの体当たり的な演技が庶民の心を掴み、ブラジル映画界の記録を塗り替える史上最大のヒット作となった。ちなみに監督はあの「クアトロ・ディアス」のブルーノ・バレット。シモーネが歌った挿入歌「ウ・キ・セラ」も大ヒット。恋に揺れる不安定な女性の心情を綴ったこの曲は、いまやスタンダード・ナンバーとなり、今日でも多くのアーティストがカヴァーしている。今回の名曲アルバムでは、この「ウ・キ・セラ」を取り上げてみよう。


尚、この映画はかつて日本でも「未亡人ドナ・フロールの理想的再婚生活」という邦題が付けられビデオ化されていたが、現在では残念ながら廃盤。大きなレンタル・ビデオ店ではまだ置いてある店もあるのでチェックを。輸入版(英語字幕)でよければamazon.com、cd.nowあたりに在庫が有。

それでは、アルバム紹介です。

1:DONA FLOR AND HER TWO HUSBANDS / オリジナル・サウンド・トラック

収録曲の全てをフランシス・ハイミとシコ・ブアルキが担当。「繊細な女心の歌詞を書かせたら右に出る者はいない」といわれたシコ・ブアルキが手がけたこの曲の歌詞は極めて抽象的かつ難解。シモーネの歌ったオリジナル・テイクの他に、ショート・ヴァージョン、そしてオーケストラ演奏によるインストルメンタルの2ヴァージョンが収録されている。このジャケットはアメリカ合衆国で公開された時にリリースされたU.S.盤。

2:FACE A FACE / シモーネ

シモーネは自身のアルバムでもこの曲をとりあげている。スローでジャジィーなこちらのテイクは、オリジナルとは違った味わい。

3:Meus Caros Amigos / シコ・ブアルキ

シコ・ブアルキの自演はゲストに盟友ミルトン・ナシメントを迎えて収録された。一部音を外して歌っているのは意図的なのだろう。感情の高揚が伝わってくる。

4:en espanol / シコ・ブアルキ

中南米諸国でも絶大な人気を誇るシコ。スペイン語ヴァージョンもリリースしている。

5:GAROTA DE IPANEMA / ナラ・レオン

ナラ・レオンは東京録音のこのアルバムで歌っている。ホベルト・メネスカルの伴奏も良い。

6:A HARMONICA BRASILEIRA NA MUSICA DE  CHICO BUARQUE / シレイベル

シコ・ブアルキの楽曲に最も相性が良い楽器はハーモニカではないだろうか?ブラジルにはヒルド・オーラ、マウリシオ、他、多くの優れたハーモニカ奏者が活動しているが、このアルバムでは全編シレイベルのハーモニカが堪能出来る。

7:FANTASMAS / ウィリー・コロン

ウィリー・コロンと聞いてもピンとこない人も多いかも知れないが、サルサ界を代表するミュージシャンであり、伝説的TV番組「シコ・イ・カエターノ」にも出演している人物である。実妹の自殺というショッキングな出来事を乗り越え作られたこの作品は、彼の心の根底から吐き出されているメッセージが私たちの心にダイレクトに深く突き刺さる。

8:PENSIERI DI DONNA / GIGLIOA CINQUETTI

イタリアでも大人気のシコ。このイタリア人歌手によるカヴァーはもちろんイタリア語で歌っている。伴奏は軽やかなフュージョン風。