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ジャヴァン
text by パウロ山本

国内版CD ボンバ・レコード BOM809
1976年録音
制作、監督 : Guto Guraca Mello
エグゼクティブ・プロデューサー : Aloysio de Oliveira
●ボサノヴァ誕生から18年、ジョアンの蒔いた種は一人の青年の心に百合の花を咲かせた。
ジャヴァンというアーティストは この1stアルバムのタイトルが示している通り彼の声、ギター、そして彼の作る音楽と どれを取っても個性的ですばらしい。
声…少し憂いを帯びた声質、そして微妙な音程のコントロールによって紡ぎ出される彼の歌は 人をリラックスさせ、心を癒すに十分な包容力とパワーを持っている。
ギター…響きを活かす開放弦の使い方や 複雑でありながらも 肉体化されたテンションの使い方などその類まれなリズム感とあいまって 彼の曲と歌を最大限に引き立てている。
音楽…彼の歌とギターによるパフォーマンスだけでも十分すぎるくらいなのにその上彼はすばらしい曲も作ってしまう。まるで打楽器のようなフレーズに乗っかる言葉の使い方は 彼の生まれ育った北東部の音楽からの影響であろう。またリオの音楽やジャズ、ビートルズからの影響など それらが完全に彼の中でミックスされ熟成されて曲になっている。
1. Flor de lisは私の一生涯の友人の様な曲で 私がとりわけ好きな曲だ。これから先 どんなに辛い事や悲しい事があったとしてもこのメロディーを思い出せばいつでも自分を取り戻せる、私にとってはそんな存在だ。他にもウキウキ感と疾走感が心地よく コンクールで2位に入った彼のデビュー曲 10. Fato consumado、北東部のリズムを取り入れた3. Maca do rosto、言葉から発生するリズムが心地よい4. Para-raio、 可愛い感じの9. Embola a bola(Caterete)、レイジーな弾き語りの12. Ventos do norteなど曲作りにおいてもデビューの時点で既に完成したスタイルを築き上げている。
そして彼の声、ギター、音楽、それらが一体になった時、強力なサウダージの磁場を生み出す。それがジャヴァンの魅力だ。
バックを務めるのはパーカッションにメストリ・マルサル、ベースのルイザゥン・マイアやフルートのアルタミロ・カヒーリョなど腕利きのミュージシャンばかりで彼らの生み出すグルーヴも聞き逃せない。
ジョアン・ジルベルトは ボサノヴァを生み出しただけでなく それ以上に重要な事は新しいやり方でやるやり方を示した事ではないかと思う。そしてそれを受け継いだ子供たちはそれぞれ自分のスタイルの「音楽」を作り出しブラジル音楽シーンを豊かなものにしている。その中の一人、ジャヴァンのやり方が このアルバムで鮮やかに表現されている。
こんなジャヴァンの魅力がいっぱい詰まった さわやかなアルバム。まだ知らない人はぜひ一度聴いてみてください。
国内版CD ボンバ・レコード BOM809 1800円(税抜き)
最後にジャヴァンのサイトを2つ紹介しておきます。