ALO,ALO,BRASIL

アルバムレビュー:001

SYLVIA PATRICIA/Tente Viver Sem Mim

シルヴィア・パトリシア/私なしで生きてみて(テンチ・ヴィヴエール・セン・ミン)

TEXT BY イエローバード

NATASHA RECORDS(NIPPON CROWN) CRCL-8554

  1. Habitatos Estranhos アービトス・エストラーニョス(奇妙な癖)
  2. Tente Viver Sem Mim テンチ・ヴィヴエ一ル・セン・ミン(私なしで生きてみて)
  3. Saia Da Minha Vida(Stonica)サイア・ダ・ミーニャ・ヴイーダ(出ていって)
  4. Quero 0utra Vez ケーロ・オウトラ・ヴエス(もう一度)
  5. Eu Ligo o Radio Quando Vou Sair エウ・リーゴ.オ・ハーヂオ・クァンド・ヴオー・サイール(出かける時にはラジオをつけるの)
  6. Nao Ponha Palavras Na Minha Boca ナォン・ポーニャ・パラーヴラス・ミーニャ・ボッカ(言わせないで)
  7. 0utro Inverno オウトロ・インヴエルノ(巡る冬)
  8. Arcodei Con Preguica アルコルデイ・コン・プレギッサ(けだるい目覚め)
  9. Louco e Quem Me Diz Que Nao ロウコ・エ・ケン・ミ・ヂス・キ・ナオン(出来ない事など何もない)
  10. Blues Da Fumaca No Ceu プルース・ダ・フマッサ・ノ・セウ(煙のプルース)
  11. Soul Parsifal ソウル・パールシファル
  12. Maraca De Amor Nao Sai マルカ・ヂ・アモール・ナォン・サイ(消えない刻印)

SYLVIA PATRICIAは、1962年(推定)バイーア州サルヴァドール生まれ。 80年代から活動しており、キャリアは15年近く、カエターノ・ヴェローゾとも競演した経歴がある。近年のブラジルでは、ロックは男性優位の時代が長く、彼女が頭角を現すのは90年代に入ってからの事であった。という訳で本アルバムは彼女の実質的なメジャーデビューという事になる。

ジャケットを見ると、彼女の名前の「SYLVIA PATRICIA」がタイトルとなっているが、中を見ると「Tente Viver Sem Mim」というタイトルが付けられている。(この曲はアルバムの2曲目に収録)アルバムのサウンドの全体的な印象は、ロック色の強い内容となっており、ブラジルのシンガーと聞いて洗練されたMBPやボサ・ノヴァを想像された方には違和感があるかもしれないが、フェルナンダ・アブレウ等のサウンドが好きな人ならば聴きやすいかもしれない。

前記したように、ブラジルのロックにおける長い男性優位の時代を経て、ようやく「ロック世代の女性シンガー・ソングライター」も日の目をみるようになってきたという事であろうか。

ちなみに、現在のブラジルの若者はボサ・ノヴァをあまり好んで聴かないと言われるが、「ロック世代の女性シンガー・ソングライター」SYLVIA PATRICIAも故郷のカエターノやジョアン・ジルベルトに憧れた時代もあったそうである。

CDを聴いてみると、1曲目からいきなりロックという感じで、10曲目や11曲目などソウルやブルースの影響が強く感じられる作品である。かと思うと、6曲目の「Nao Ponha Palavras Na Minha Boca」などのように、浮遊感に乗った心地よいコード進行を持った曲もある。私事ながら、このアルバムに興味をもったきっかけはをラジオでこの曲を聴き魅せられたからである。

彼女のヴォーカルは、メリハリやパンチがあるといった感じではなく、独特の倦怠感が感じられ、それが歌詞とよくマッチしているのである。

イエローバード
(データ等ライナーからの引用あり)