ALO,ALO,BRASIL

INTERVIEW numero 8:Vasco Debritto

最新作を発表したばかりのヴァスコさんにお話をうかがいました。

ヴァスコさんのオフィシャルページでは新作の試聴もできます。

http://www.cnet-ta.ne.jp/v/vasco/


Q1 まずこのアルバムのタイトルの由来から教えてください。

現在大磯に住んでいて、海岸や海に浮かぶ岩を見てアルバムのイメージがわいたのでこのタイトルにしたんです。ここには海も、小さいけれど山もあってリオにイメージが似ていてブラジルと重なるんだ。

Q2 このアルバムには多くのビッグ・ネームのミュージシャンが参加していますが、ヴァスコさんとは旧知の仲だそうですね。彼等との出会い、そして本作との共演のきっかけについて教えてください。

何人かのミュージシャンが古くからの知り合いで、ホメロ・ルバンボは以前ブラジルで私のバンドのギタリストとして一緒に演奏していましたし、他のメンバーも一緒にコンサートを開いたりしていた仲間です。ブラジルで発売された1st、2ndアルバムにも彼等の多くが参加していて、今回、初めは何人かのメンバーだけに頼む予定でしたが、録音が始まり皆が盛り上がって「あいつも呼ぼう」「こいつにも声を掛けよう」とだんだんふくれ上がっていってこうなったという訳です。

Q3 レコーディングはリオとニューヨークだったそうですが、違った点はありましたか ? またレコーディング中のエピソード等あればお聞かせ下さい。

基本的な環境はほとんど違いは有りませんが、NYのほうがレコーディングシートなど 非常に細かくマイクやソロが始まるタイムのマークなど他の詳細まできちんとしていますね。コーヒーなども無料で自由に飲めたり。でもブラジルにはレコーディングエンジニアも意見を言ったり皆自由に参加してくれる、ホントのブラジル音楽を作る雰 囲気があります。 ブラジルでは録音が進むにつれて噂になり、知り合いもそうでない人も、いろんな人 がスタジオで何が起きているか見ようと訪ねてきて大いに盛り上がりました。おかげ でスケジュールがタイトになってしまって、夜中の2時にホベルチィーニォ・シルヴァ にスケジュールの変更の電話を掛けて「明日来てくれ!」と頼むはめになったり。ホベルチィーニォは録音した自分のビリンバウのプレイを聴いて「アメリカっぽいなあ、ブラジルスタイルでもう一発やろうぜ!」なんて言ってとてもいい感じでしたね。 NYではローン・カーターのプロ意識に感動したなあ。3テイクとってからホメロが彼にOKか聞いたら「ボスに聞いてくれ」ってね。ホメロには納得できていないパートがあって、ぼくは「パンチィングするから」って言ったんだけれど、あのマスターのローン・カーターが「4~5分じゃないか、いいチューンだ、もう1テイク行こう」と言っ たんだ。さすがだね。

Q4 (1)や(11)ではまるでA.C.ジョビンの未発表曲を聴いているような印象を受けました。ヴァスコさんも強い影響を受けられたそうですが、ジョビンに対する思い出や、 好きなアルバム、曲等ありましたら教えてください。

まずこのアルバムはジョビンに捧げて作ったアルバムなんだ。なぜなら彼なしでは今のブラジル音楽の地位もなかったはずだからね。彼の作品のほとんどが好きだけれども特に僕のお気に入りのアルバムは『Passarim』だね。ジョビン本人には何回かしか会っていないけれども特に思い出に残っているエピソードは、僕の始めてのコンサートの当日の朝に僕のアパートの真ん前でジョビンにばったり出会って、僕も若かったからコンサートに来てくれって招待したんだ。そしたら彼は「すまないな息子よこれ からギョロ目(シコ・ブァルキのニックネーム)に合うんだお祝しなきゃならない事が合ってね。ほんとにすまない。」と言ってくれた事かな。1978年で多分あの日 彼に出会ったのは僕のキャリアへの素晴らしいサインだったと思うよ。

Q5 (2)ではシコ・ブアルキに通じるものを感じましたが、シコについてはどういった印象をお持ちですか?

このアルバムは先に述べたようにジョビンとほか、ノエル・ホーザ、ドリバル.カイ ミ、このブラジルの3人の偉大な作曲家に捧げたもので、僕はクラッシックギターから入って、その後あの時代にどの若者もやったようにビートルズの影響を受けロック を始めたのだけれど、シコの曲、歌詞を聞いてブラジル音楽をやろうと思ったんだ。 彼の詩の書き方をとても尊敬しています。僕が大学生だった時友達が僕の誕生日にイタリアから帰ってきたばかりのシコに合う機会を作ってくれて、はじめて彼と会った んだ。それから親しくなりDISCO DE BOLSO(表面が有名作曲家の作品で、裏面に有望 な新人アーチストを入れたシングルレコードのプロジェクト)の話が盛り上がったん だ。一枚めはジョビンとジォアン・ボスコ、二枚目はカエタノ・ベローゾとファグナ、三枚目はシコが僕を紹介する予定だったのだけれど、銀行が破産してしまって実現し なかったんだ。

Q6 「トアダ」というリズムについて日本ではあまり認知されていませんが、どのようなものでしょうか?

トアダは基本的にシンプルなメロディーに自然や故郷を歌う哀愁のこもった音楽の事をさすんだよ。シンプルなメロディーでブラジルへの思いを歌った「ピンドラマ」のような曲をさして「トアダ」と呼ぶんだ。

Q7 「インヴェンサォン」でデュエットしているレチシア・カルヴァーリョとはどんなシンガーでしょうか?

レティーシアはこのアルバムでとても協力してくれた友人、素晴らしいギタリストのフェルナンド・カルヴァーリョの娘で、まだ若いのだけれど、アルシオーニのバックボーカルやテオリマのバンド「バタコト」のシンガーで、浅草サンバカーニバル90 周年の僕がプロデュースしたシングルCDでもシンガーとして歌ってもらったキャリアの持ち主だよ。

Q8 今後このレコーディング・メンバーで是非日本公演を行って欲しいですがいかがでしょうか?

パウロ・ブラカやホメロ・ルバンボにも話はしてあるよ。皆凄くやりたいと言ってくれている。このプロジェクトの費用を負担してくれるスポンサーを探しているところさ。きっと上手く行くと思うよ。実現するように祈っていてください。皆でこの地球をもっとハッピーにできるように頑張りましょう!

ありがとうございました。