ALO,ALO,BRASIL

INTERVIEW numero 7:Prismatica

蒼い空の向こうから彗星がひとつ現れた。新鮮な輝きを放ち、人々の心を捉えるその彗星の正体は。どこからやってきて、どこへ向かおうとしているのか

今回のインタビューは4枚のオリジナル・アルバムを発表後、昨年まとめたベスト盤が全国的な人気を集めている「Prismatica」です。

TVにも出ない、雑誌にも出ない、プリズマチカ名義のライヴもなし。海外のインディーズ・レーベルかと見まごうような洒落たジャケットに新鮮で感度の高い音、借り物でないブラジル音楽のエッセンス。一体誰なの?みんなその正体を知りたいはず。

聞き手 E.シンクレール


Q:メンバー紹介をお願いします。

Prismatica(以下:P)

P:プリズマチカは、プロデューサー横山ミノルのもとに結集した『感性の集団』です。プリズマチカには、実は、50名以上のコラボレーターがいます。それだけ、たくさんの感性が、作品の中に結晶しています。プリズマチカが、常に開かれたユニットとして活動している点を考えると、いわゆる「バンド」という定義の枠には入りきらないのかもしれません。いずれ、1stから5thのアルバム制作で、共に活動したメンバーをプリズマチカのHPで、随時ご紹介できると思います。お楽しみに!

Q:結成時のコンセプトと結成のきっかけを教えてください。

P:「今、聞きたいものを、素直な気持ちで表現してゆきたい」これが、プロデューサーとしてのコンセプトです。と同時に、プリズマチカの制作にたずさわったすべてのメンバーが、共有するテーマでもあります。このコンセプトは言葉にすると、とてもシンプルですが、現在も、全く変わっていません。プリズマチカのどの作品にも、音楽に対する素直な愛情が溢れていると思います。そして、もう一つ、プリズマチカが、いつも大切にしているのは、「今」というフィーリングです。これは「新しいもの」を探したり、追いかけたりすることではなく、「今」自分の感性に響いたものを素直に伝えたいという欲求です。この欲求を、「歌声」として表現しているのがシレーニの存在です。プリズマチカの活動は、プロデュサー横山ミノルと、シレーニとの出会いがきっかけで始まりました。さらに、越田太郎丸guitar、草間信一piano、村山光国programmingのみずみずしい感性が結晶して、現在のプリズマチカがあります。

Q:プリズマチカの名前の由来は?

P:PRISMATICAは、ブラジル・ポルトガル語で、「プリズムのような」という形容詞です。プリズムが光を感じて虹色に輝くように。。。「感性の輝き」をイメージしてつけた名前です。

Q:プロデューサーの横山氏がブラジル音楽に興味を持ったきっかけは?

P:音楽業界に入って15年になりますが、レコーディングエンジニア、FMラジオディレクター、音楽ディレクター、プロデューサーを経験し、様々な角度から音楽と接してきました。その過程でフレンチ・ポップス、R&B、アメリカンポップス等、様々な作品を制作しましたが、ふと気がついたら、ブラジル音楽の魅力にはまっていたというのが、正直なところです。

Q:選曲は誰がしているのですか?

P:横山が、トータルに選曲しています。制作の過程では、「今、聴きたいもの」を追求します。結果的には、ブラジル音楽とあまり接触の無いリスナーの方にも、プリズマチカの世界に自然に溶け込んでもらえるような、ゆとりのある自然なアルバムに仕上がっていると思います。又、選曲の際には、できるだけ、プリズマチカが「遊べる」空気感のある作品を選んでいます。

Q:1stアルバムを出したときの反応はいかがでしたか?

P:最近になって、多くのアーチストが、ブラジル音楽をクラブ系のアプローチで解釈するようになってきましたが、実はプリズマチカが1stアルバムの制作を始めたのは1995年で、おそらくこの時期に、このような遊び方をしたのは、非常にゲリラ的であったと思います。大型輸入盤店(タワー、HMV、WAVE)のワールドチャートでは、のきなみ5位以内に入りました。ファンの方々の中には、プリズマチカは、ヨーロッパ系のバンドだと思っている方も多いと聞いています。プリズマチカは「感性の集団」ですから、あえて、「日本のバンド」とも、「ヨーロッパのバンド」とも明示していません。感性に国籍はありませんから、プリズマチカの音を聞いて、リスナーの方に自由に感じて頂ければ、それが一番素晴らしいことだと思います。

Q:初期アルバムは、MPBのカヴァーが主ですが、いつ頃からオリジナル曲を作り始めたのですか?

P:2枚目のアルバム、arlivreの制作を始めた頃、1996年位からです。

Q:3枚目のアルバムOVERDRIVEのジャケット写真の女性はメンバーの一人らしいという噂ですが?

P:シレーニ本人です。

Q:歌い手のシレーニさんはブラジルと縁が深いそうですが、ブラジルとはどんな国ですか?

P*(Cilene):初めて、ブラジルを訪れたのは12歳の時です。父親の仕事の関係で、家族と共にサンパウロに住みました。帰国後も、ブラジル音楽が恋しくて、パーカッションのレッスンを受けるために、再び単身でサンパウロにわたりました。ブラジル音楽を歌うようになったのは、ブラジルのリズムに魅せられたのがきっかけです。私にとって、ブラジルはインスピーレーションの泉です。arlivreに収録されている“WhynotBrasil”(越田太郎丸作曲・Cilene作詞)に、ブラジルに対する想いが、たくしてあります。プリズマチカ最初のオリジナル曲です。*ブラジル語でアブラッソ(抱擁)という言葉がありますが、まさにブラジルの文化は、アブラッサァォン(BigHug)という言葉がぴったりだと思います。ブラジルには「多民族共生の社会」だからこそ感じられる温かさがあります。本当に包容力あふれる国です。ブラジルとの出会い、ブラジル音楽との出会いに感謝します。

Q:曲や詞が産まれる瞬間に感じることはありますか。

P*(Cilene):詞が先に出来るとき、曲が先にできる時、いろいろですが、大概、曲のイメージをふくらませて、PoetryReadingをするように歌をのせていきます。プリズマチカのメンバーの部屋で、遊びながら曲ができたこともあります。1年以上も迷い続けている曲もあります。飛行機の中で突然わいてきた曲もあります。曲がうまれる瞬間もそうですが、曲ができるまでのプロセスそのものが、とても刺激的で、楽しいです。この楽しさは、プリズマチカのメンバーみんなが共有しています。

Q:「プリズマチカ」の今後の活動予定について教えてください。

P:目下、楽曲の制作中です。締め切りに追われないことが、第1のコンセプトなので、具体的な時期はお答えできないのですが、また新たなフィーリングで、アルバムをリリースしたいですね。

Q:ライヴ・全国ツアーなどの計画はありますか。

P:次のアルバムリリースの時にはライヴを行います。

Q:「Prismatica」プロデューサー横山氏の他の作品紹介

P:NADEGE(フレンチ・ポップス)の1stと2nd、CARAJONES(アメリカン・ポップス)1st等の作品を手がけました。その他、ラテン系のコンピレーション・アルバムでStyle&Wave、MERV、BabyBossaを制作しました。主にワールドものが多いです。


いかがでしたでしょうか?普段演奏している人にばかり目がいきがちですが、影の主役・横山氏とそこに集まる人々の感性が具現化したものが「Prismatica」の正体、と言えそうです。

シレーニさんのブラジルに対する想い、アロアロの読者ならそうそう、と共感する方も多いでしょう。Saudade、懐かしさと切なさと、あたたかい気持ちが、「Prismatica」を、お洒落なだけではない、何か心を捉えるものにしているのだと思います。

他のメンバーについても、お伺いしたいことが一杯なのですが、とーっても長くなりそうですので今回はここまで。HP&newアルバムの完成をお楽しみに!