ALO,ALO,BRASIL
mujika caipira, musica sertaneja

田舎音楽入門:ムジカ・カイピーラ~ムジカ・セルタネージャ

現役の主要アーチスト

では、まず現役の人たちから紹介しましょう。

ペナ・ブランカ&シャヴァンチーニョ Pena Branca e Xavantinho
タトゥイでのライブ
名盤「タトゥイでのライブ」
コラサン・マトゥト
ラストアルバムになってしまった「コラソン・マトゥト」

 現役と言いながら、シャヴァンチーニョが亡くなった今、もう彼らの歌が聞けなくなってしまったのかと思うと、残念でなりません。初めて彼らの歌を聞いたのは、レナート・テイシェイラとのライブ盤。レナート・テイシェイラもこのジャンルの重要なミュージシャンですが、このライブ盤は、ブラジルでシャープ賞を受賞した名盤。とにかく何度聴いても新鮮です。

 彼らはミナスジェライス州出身の兄弟で、いつ頃から活動していたのかはわかりませんが、亡くなったシャヴァンチーニョが58歳だったと言う事なので、1941年生まれ。ミルトンやカエターノと同世代ですね。1998年の「CORACAO MATUTO」が最後のアルバムになってしまいました。伝承曲からオリジナル、ミルトンやカエターノ、ジャヴァンの曲まで、実に幅広いレパートリーを持っています。二人の絶妙のハーモニーと演奏は、ブラジルのミュージシャンの中でも評価され、尊敬されています。


レナート・テイシェイラ Renato Teixeira

「ROMARIA」30周年記念の
リオでのライブ盤

ナタン・マルケスとのコラボレーションアルバム

 1945年サンパウロ生まれ。1973年に最初のアルバム「Paisagem」を発表。彼の曲「Romaria」をエリス・ヘジーナが歌ったことで一気に有名になった。他に「Sentimental Eu Fico」「Tocando Em Erente」「Amanheceu Paguei a Viola」等、心に染みる名曲が目白押し。ファーストとセカンドの"Album da Familia"は、ボサノヴァよりも内省的で純粋な青年の息づかいが聞こえるような傑作。97年に「Romaria」誕生から30年を記念したコンサートを行い、そのライブ盤を出しているが、これがまた素晴らしい出来。現代の吟遊詩人。


アルミール・サテル Almir Sater

名盤「INSTRMENTAL」
続編も有り

このジャンルのミュージシャンとしては最もポピュラーな人気を得ていると言えるかもしれない。音楽だけでなく、役者としてテレビドラマの主役を勤め、絶大な人気を博した経歴の持ち主。一方で、セールスには不利なインストゥルメンタルのアルバムを出すなど、硬派のミュージシャンとしてもその実力を見とめられている。この人には、日本でも結構熱心なファンがいたりするようです。


イネジータ・バローゾ Inezita Barroso

ロベルト・コレアとの共演盤

20世紀の総決算、傑作「Sou Mais Brasil」

トラマからリリースされた心温まるアルバム

 このジャンルの大ベテランにして、今だ現役のおばさま。CDの解説でも「ムジカ・カイピーラのシンボル」なんて書かれてます。 雰囲気は江戸っ子の姐さんって感じなんですが、若い頃の写真を見るとかなりな美人ですね。長いキャリアのほんの一部を耳にしただけですが、その音楽性の多彩さは物凄いものがあります。「ムジカ・セルタネージャ」という音楽がいかに貪欲に他ジャンルの音楽を吸収して行ったかがよくわかります。ここで紹介しているベスト盤を聴いてても、単純なヴィオラの弾き語りから、オーケストラにコーラスがついて朗々と歌ってるものや、メキシコのマリアッチバンドかと思うようなブラスの音が入ってたり。めまぐるしい音楽絵巻状態。

 ヴィオラ・カイピーラの第一人者、ロベルト・コレアとのムジカ・カイピーラ名曲集は好評だったのか2作制作された。自身のキャリアを総括した傑作「Sou Mais Brasil」や、意外にもトラマからリリースされた「Hoje Lembrando」と、80歳を目前にして今なお絶好調。


ロベルト・コレア Roberto Correa




 今や、ヴィオラ・カイピーラの第一人者。ミナスジェライス生まれのブラジリア育ち。祖父や曽祖父もヴィオラ奏者だった。最初はギターを弾いていたが、ブラジル音楽のリサーチを進めるうち、ヴィオラ・カイピーラのエキスパートになっていた。研究肌の人なんでしょうねぇ、作品がちょっとお勉強っぽくなるのが辛いところ。ギター奏者の人は絶対勉強になるでしょう。来日したことが有るらしいです。


パッソカ Passoca

ムジカ・カイピーラの歴史


 サンパウロのサントス出身。地方出身のヴィオレイロが多い中で、都会育ちで楽器は自力で身につけたらしい。オリジナルでは、都会的な詞とメロディーをヴィオラ・カイピーラのハーモニーに乗せて歌っているそうです。巻き舌の柔らかい発音が特徴的。エドゥアルド・グヂン等との交流もあり、都会的なセンスを感じさせます。「ムジカ・カイピーラの歴史」というCDを出していて、このジャンルの有名曲をまとめて聴くことが出来ます。


パウロ・フレイレ  Paulo Freire




オルケストラ・ポプラール・ヂ・カマラにも参加するなど、幅広いジャンルで活躍している。


その他の人たち(ヴィオレイロ他)


Violeiro do Brasil

「セルタネージャ」が、今のような形に変質していったために、伝統的なヴィオラ・カイピーラを主体とした音楽をやるミュージシャンは、ヴィオラ奏者としての性格を強めることで自分たちの音楽を位置付けようとしているように見えます。ヴィオレイロと呼ばれ、インストゥルメンタル・ミュージックとして純化していく方向性を取っている人もいるようです。僕個人としては「歌」が主役のムジカ・カイピーラが好きなんですが、なかなか難しいのかもしれません。とは言え、ライブ盤なんかを聴いてると、結構客席が盛り上がったりしてるんで、こちらからは解らない市場がしっかりあるのかもしれません。ちなみに、右に掲載しているアルバムは、SESC SÃO PAULO主催したプロジェクトのライブ盤。14人のヴィオレイロが、技を競います。


タヴィーニョ・モウラ  Tavinho Moura


 ミルトンとも活動を供にしているミナスの音楽家。ムジカ・カイピーラの人と言う訳ではないんでしょうが、伝承曲を採集したりして、ミナスにこだわる姿勢では誰にも負けない人。


ブラス・ダ・ヴィオラ  Braz da Viola

 ヴィオラ・カイピーラの教則本やビデオを出している、筋金入りの学究肌ヴィオレイロ。1991年に Orquestra de viola caipira を結成。


その他のヴィオレイロ

Renato Andorade, Adelmo Arcoverde, Ivan Vilela, Pereira da Viola, Zé Mulato e Cassiano, Zé Coco do Riachão など